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TOEIC満点の英語好きが色々と書くブログ

英語4技能入試と民間試験導入についてTOEIC満点の海外経験者が思うこと

皆さんご存知の通り、2021年の春入学の年度から、大学入試が大きく変わり、特に英語は、他の科目のようにセンター試験に代わって共通テストになるだけではなく、民間試験(英検やGTECなど)の受験が必須になります。[2019/11/04追記]民間試験の導入は、当面延期になりましたが、この時点での考えを記録しておくためにこのままにしておきます。

 

この件について、受験英語も英会話もどちらも学んできたひとりの英語好きとして、思うことを書いておきます。

 

なお、こちらの記事も併せて読んで頂ければ内容がつながるかと思います。

toeman.hatenablog.com

 

 

結論からいうと今の流れで進むのは反対

いきなりですが、今決まっている内容のままであれば反対です。その理由を書く前に、まず問題点を2つに分けて整理したいと思います。

 

というのも、巷で議論されている内容を見ていると、「4技能入試化」の是非と「民間試験導入」の是非の話がごっちゃになっていると感じることがあるからです。

 

4技能を磨くこと自体は重要

個人的には、いわゆる4技能(Reading, Listening, Speaking Writing)を鍛えようということ自体には賛成です。

 

世の中で英語を使っていくには、なるべく4技能全てができた方が良いのは間違いないと思います。そしてそのために必要な学習方法や入試方法を検討・改善していくことは必要でしょう。

 

しかし、単純に「4技能」という大義名分を妄信していくのは問題があると考えています。そもそも4技能のうちのスピーキングとライティングが弱いとよく言われていますが、既に現代の高校英語で教わる内容を本当にしっかりとこなせば、少なくともライティングについては相当な力が付くはずです。

 

そしてスピーキングについては、英文を組み立てるのに必要な力を、瞬発的に口から出るように練習することによって得られるもので、ライティング力と関わるものと個人的には考えているので、学ぶ内容というよりは練習方法や練習量の問題だとおもいます。

 

これらを考慮せずに、「日本人は英語が話せない」と問題提起して、体系的な文法を軽視し、英会話のような授業に特化してしまうのはいかがなものかと。実際に海外でも、いわゆる「受験英語」と言われている日本での英語を本当にきっちりマスターしている人が書く英語は、非常にレベルが高いです。

 

そして、そもそもスピーキングやライティングが弱いといっても、「じゃあリーディングとリスニングは大学レベルに達しているのか」という問題も無視できません。

 

このような状況で、単純に入試の配点を4等分して日本人の英語力が底上げされるというのは非常に疑問です。

 

民間試験導入は別問題

前述の通り、4技能の入試での扱いはさておき、4技能化(というか、特別なことではなく普通に言語を使うというのは当然この4つの技能は使用するという意味で)には賛成ですが、それと民間試験を使おうというのは全く別の問題です。

 

CEFRでの基準についても、そもそも各試験の採点基準や精度が一致していなければ、成立しないです。大学入試に使用される予定の民間試験の一つであるGTECの採点の現状については、素晴らしくまとめられた別の方の記事を発見しましたので、是非ご覧ください。

yarusena-gogaku.com

 

こちらの記事にある状態が事実であれば、入試に使おうということのリスクが分かるかと思います。

 

参考までに、CEFRの表も載せておきます。

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大学や社会でどんな英語力が求められるかという視点

これまで書いたように、基本的には入試問題のような英語をただ読めるだけじゃなく、ペラペラ話せたり映画が字幕なしで理解できたりした方が良いことは良いでしょう。

 

しかし、ここで忘れてはいけないのは、「大学や社会で必要な英語は、英会話だけではない」ということです。

 

大学は高等教育機関であり、英語での最先端の論文を読むこともありますし、海外との取引がある企業では、入試レベルをはるかに超える契約書を読み込まなければいけないこともあります。

 

このように様々な英語を使用することを想定して英語力を向上させることが重要なのであって、特に大学入試においては、大学での学問のための英語という視点は当然重視されるべきでしょう。

 

そのうえで、特に会話レベルを求める大学(外国語大学など)や学部(英語学部など)では、独自に面接などを行って判定することも可能だと思いますし、目的に特化した英語力の判定は既に2次試験等で各大学が行っていることです。

 

じゃあどうすればいいのか?

文句ばかり言っていてもしょうがないので、いまの自分が考える最良の英語入試改革を最後にまとめて終わります。

 

センター試験をベースにした改良

そもそもセンター試験の内容は、既にかなり実用的な内容になっています。英検協会自身が、英検とセンター試験の相関係数は0.89であると公表しているように、リーディングとリスニングに関してだけなら、今のセンター試験でも、民間試験の代表格である英検と同じ能力を測れます。

 

ですので、まずこれまで通りセンター試験をベースに配点や設問形式を改良しつづければ十分に良い試験になると思います。ちなみに、リスニングの難易度や配点を高めることは問題ないと考えています。

 

スピーキングは当面導入せず、客観的に測れる技術開発をつづける

上でも書いた通り、スピーキングを試験に含める方向性自体には問題はないと思っているので、公平性が担保できる状態になるまで技術面の開発をし、入念な実験に基づいてマークシートレベルの公平性が保てるレベルになってからの導入を検討すればよいと思います。

 

ライティングは現状の通り各大学にゆだねる

先ほども書きましたが、既に今の入試でも、大学や学部によって必要だと思う技能は2次試験で確認しているはずです。東大はずっと以前から、スピーキング以外は行っていますし、殆どの国立大学ではかなりの英文を書かせる試験内容になっています。

 

 

以上、賛否両論あると思いますが、今の考えを整理しました。

英語好きとしては、英語が話せる人が増えてほしいし、英語教育の改善は大賛成なのですが、「英語=英会話」みたいになろうとしているように見えて、現状の改革には非常に懸念があります。

学術英語と、英会話、もちろんどちらも必要ですし、個人的にはどちらも好きです。

 

ただ、ここでの問題は、「国の公的な大学入試」で何を試すべきなのかという視点ではないでしょうか。

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